中田 圭吾 様
埼玉県で通所介護事業所、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所を運営する介護法人の代表取締役を務められていた中田 圭吾様(以下、中田様)は、約20年間にわたり運営されてきた同法人を2025年1月に医療・介護事業をグループ経営する法人に譲渡されました。譲渡後は別の分野で新たな事業展開を予定されている中田様。介護業界参入の経緯から今回、株式譲渡を決断された理由などについて、お話しを伺いました。
本社所在地 | 埼玉県 |
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業態 | 通所介護事業所、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所 |
譲渡理由 | 業界への不安等 |
ストラクチャ | 株式譲渡 |
介護業界に参入した理由は2点あります。
1点目は、以前、訪問リハビリマッサージを行っており、そこで高齢者や体が不自由な方々を支えることへのやりがいを抱くようになったことで、リハビリ専門の施設を作り、残存機能の維持・改善をサポートしながら、利用者様の笑顔を作っていきたいと思ったことです。
2点目は、私は両親を早くに亡くし、もし生きていたら当時の利用者様と同じくらいの年齢で今頃介護をしていたのだろうという思いもあり、仕事を通じて介護に携わることを考えたことです。これらを背景に、約20年前に通所介護事業所の運営をスタートしました。
その後、高齢化が進む日本における介護需要の増加を鑑み、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所の運営もスタートしました。事業所の運営においては、利用者様の「笑顔・思い出・生きがい創り」を理念に掲げ、利用者様の笑顔やポジティブな思い出を作ることができれば、その後の生き甲斐にも繋がると信じ、運営してきました。
私とCBパートナーズとの出会いは約3年前に遡ります。
当時、私自身の体調不良や、報酬改定・人件費高騰による経営への影響、さらには人材不足など介護業界における将来不安もあり、未来の選択肢として譲渡を視野に入れていました。そこで、まずは自社の価値を認識するために、価値算定をお願いしました。
私自身、譲渡に関しては素人ということもあり、当時は分からないことも多くありましたが、介護業界の動向や譲渡に向けて必要な準備、進め方などアドバイザーの方が時間をかけて丁寧に説明をしてくれたおかげで、譲渡に対する疑問や不安が解消されたとともに、未来について親身になって一緒に考えてくれるだろうという安心感に繋がりました。また、譲渡のメリットだけではなく、デメリットや苦労するポイントなども伝えてくれたことや毎回、事業所まで足を運んでくれたことも好印象でした。
さらに、私からの提出書類に不備があった際に適当に済ますのではなく、速やかに指摘をしてくれたことで信頼が深まり、CBパートナーズと未来を考えていくことを決めました。
譲渡を決断した理由は2点あります。
1点目は、報酬改定・人件費高騰による経営への影響、さらには人材不足など介護業界における将来不安です。
2点目は、譲渡先の候補が見つかったことです。譲渡先が見つからなければ、事業継続という選択肢もありましたが、今回、譲渡先の院長先生をはじめ、他候補企業の方が譲受について前向きに考えてくださっていたことで、譲渡意向が固まりました。
また、当時は未来の選択肢として新たに介護事業を譲受することも視野に入れていましたが職員から反対意見が出たことや、私自身の体調不良などを鑑み、事業継続について改めて考えを整理した際に、新たなチャレンジに一歩踏み出すことは現実的ではないと考え、譲渡を決心しました。
私が経営から退いた後も、将来にわたり地域の利用者様から選ばれる事業所へと成長させ続けることが期待できるかという点を重要視していました。今回、譲渡先の候補として薬局企業、一般企業、医療法人の3社がありましたが、各社とのトップ面談を経て、上記を特に期待できると感じた医療法人の院長先生に、譲渡をしたいと考えました。
超高齢化社会に突入した日本において、さらなる医療・介護の連携が必要とされることを踏まえると、今後地域に欠かせない事業所へと成長させ、地域に貢献してくれることを確信しました。また、院長先生はとても温厚で思いやりがある人間性豊かな方なので、既存の職員にとっても受け入れられやすいと考えました。
院長先生に対して不安を感じることはありませんが、介護業界には初参入されるということもあり、トラブルに対して適切に対処できるか、心配な気持ちはあります。特に介護分野は人から人に対してサービスを提供するため、人的トラブルは付き物ですよね。一方、現在は何か困りごとが起きてしまった際には、適宜私と連絡を取り合いながら解決しているので特段問題はありません。
介護業界における将来不安などから解放されて、精神的には余裕が生まれてホッとしている一方、まだ50代ということもあり、もう一苦労しても良かったのではないかと、ふと考えることも正直あります。
ただ、職員や地域の利用者様のことを考えると、今回の譲渡は良い決断だったと確信しているとともに、CBパートナーズや譲渡先の院長先生との出会いを含め、様ざまな奇跡が連鎖したことで今回無事に譲渡を実現できたことを大変嬉しく思っています。
また、今回、譲渡先の院長先生には、私が事業所運営において大切にしてきた、利用者様の「笑顔・思い出・生きがい創り」という理念にもご賛同いただき、多くの利用者様や職員の顔に笑顔が見られ、雰囲気が良い事業所であることを評価いただけたことも嬉しかったですね。
今後はこれまでの経験を活かして別の分野で新たな事業展開も考えているため、新たなフィールドでもう一苦労したいと思います。
介護業界に限らず全ての業界に共通して言えることですが、昨今は業界を取り巻く環境変化のスピードが速く、それよりもさらに速いスピードで、経営者は未来を創造していかなければ、同業他社との差別化ができず、生き残りが難しい時代です。だからこそ、常にアンテナを張って新たな発想を持つことが必要不可欠です。
そのような環境下において、後継者問題や経営疲弊などを理由に適切な判断を下すことが困難になる場合もあるかもしれません。そこで、将来に備えて一つでも多くの選択肢を準備しておくことは重要です。選択肢が多ければ多いほど、職員や地域の利用者様にとっても良い結果に繋がります。
たとえすぐに譲渡を実行する予定がなくても、譲渡先の方の人間性や事業発展への思いに触れることで、自身の気持ちに変化が見られることもあるかもしれません。いざという時、手遅れになる前に、譲渡に関する情報収集や価値算定などの準備を早めに始めることをおすすめします。
中田様が運営されていた法人は創業約20年の企業様で、コア事業である中規模以上デイサービスのほか、訪問介護・居宅介護支援を運営されており、会社名の通り経営理念には利用者様の「笑顔・思い出・生きがい創り」を掲げていらっしゃいます。
私が社長の中田様にはじめてお会いしたのは2024年6月でした。はじめてお会いした当時、中田社長は体調不良と経営者としての重い責任に、深く悩んでおられるように見えました。もちろん、M&AアドバイザーとしてはM&Aを前提にお話をするのが当然ですが、それ以前に中田社長が実際に何に悩まれているのか、これからの人生でどのような展望を望まれているのか、中田社長の潜在的なニーズを知るために中田社長としてではなく中田圭吾様の事を理解したく株式会社すまいる様に通い詰めました。私自身、関西出身で中田圭吾様もお笑いがお好きな方でしたので、面談時はⅯ&Aの事だけではなく、日常の些細な事もお話いただきたくさんの冗談も交わしました。担当アドバイザーとして楽しい時間をともに過ごせたことを嬉しく思っております。本当にありがとうございました。
一方、実際にM&Aのお話が進んでいくと楽しい事ばかりではなく、精神的にご負担をかけてしまう事もあったかと思います。しかし、課題に対して早急に対応してくださる中田社長にはいつも助けていただきました。また、今回の譲渡先様にもⅯ&Aを成立させるために多くの場面で歩み寄っていただきました。私は担当アドバイザーとしての職務を全うしただけですが、このⅯ&Aについては中田社長・譲渡先様双方にとって間違いなく良いお話になると確信しております。
約6ヵ月もの間、M&Aに向けてたくさんの課題をともに乗り越えていただきました中田社長と譲渡先様に深く感謝申し上げるとともに、私自身、今後もより一層業務に励み一人でも多くの経営者の方々のお悩みを解決できるように精進いたします。
中田社長、約20年間本当におつかれさまでした。また、今後のご活躍を心より祈っております。今後とも末永くよろしくお願いいたします。