岡本 龍 様は、2023年5月に、兵庫県神戸市の「適寿クリニック」を承継開業されました。岡本 龍 様が理想とされる地域医療の実現に向けて、踏み出した新たなチャレンジ。
そんな岡本 龍 様に、今後の展望と、開業までの過程で苦労されたことや注意すべきことなど、フェーズごとにお話しを伺いました。
先生方が開業を検討するにあたり、新規開業と承継開業という大きく二つの選択肢があります。それぞれに特徴があるため、一概にどちらが良いということはありませんが、当社は承継開業の支援を行っております。承継開業のメリットは三点あります。一点目は、患者様が一定数いらっしゃる状態で開業ができるため、開業時の収入を確保できることです。二点目は、従業員の方に残留いただける場合があり、採用費用や教育費用の低減が可能なことです。三点目は、院内で使用している機器がそのまま使用できるため、設備投資費用の軽減ができることです。承継開業は、新規開業と比較すると「開業費用や軌道に乗るまでのランニングコストが抑えられる可能性がある」といえます。
もちろん、ケースバイケースのため、開業を希望される先生のお話やご希望を伺い、先生のニーズが承継開業によって満たされると確認できた場合に、承継開業のご案内を進めることを心掛けています。
適寿クリニックを承継開業する以前は、病院で小児科医として6年間、高齢者の患者様が多いクリニックで内科医として15年間と、子どもから高齢者まで、医師として幅広く経験を積んできました。
開業を考え始めたきっかけは、当時の就業先で大変お世話になっていた先生が退任され、当時、クリニックの所長として勤務していた私は、先生の退任を機に、臨床面だけでなく経営面も考えなければならなくなりました。地域の患者様やクリニックのために、私自身最も良い方法を考え、様ざまな提案を行いました。ですが、残念ながら実現には至りませんでした。この経験をきっかけに、私自身が考える理想の実現に向けて、新たなクリニックの開業にチャレンジしたいと考えはじめました。
私の祖父はいわゆる町医者で、内科・外科・産婦人科と多方面で地域の患者様の診療に携わっていました。そんな祖父の姿に憧れを抱き、私も幅広く地域の患者様の力になりたいという想いが幼い頃からあったため、開業について初期相談することを決めました。開業には、複数の選択肢があることは理解していましたが、CBパートナーズの提案に興味を持ち、承継開業を第一候補として検討することにしました。
初期相談では、
・承継開業におけるいわゆる町医者のニーズの有無
・私自身の力が課題を抱えている医療機関や地域患者様のためにどのように役に立てるのか
という二点に主眼をおいて相談しました。
私は、祖父の影響もあり、専門分野に特化した医療ではなく地域に幅広く貢献できる総合的な診療が実現できるクリニックの医師となることを目指していました。そのため、小児科をはじめ、複数の科目で経験を積み、子どもから高齢者までの全身を診療できるように努めてきました。この経験が役立つような承継場所や承継ニーズがあるのかを相談しました。