主に民間事業者が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅で「サ高住」や「サ付き」とも呼ばれます。
要介護高齢者が多く入居する有料老人ホームと異なり、主に介護認定が自立あるいは要支援・要介護高齢者を受け入れています。
介護保険サービスは外部サービスを利用することになりますので、
サービス付き高齢者住宅のみの運営では採算は取りづらく、
他の介護保険サービスと組み合わせることで収益を上げる構造となっています。
近年、サービス付き高齢者住宅のM&Aは盛んに行われています。
その背景として、2010年代前半に国の施策の影響もあり、サ高住の建設ラッシュがありました。
建設する際に補助金を得られるということで、介護事業者だけではなく、介護事業に新規参入希望の事業者が想定以上のスピードで建設が進んだのです。
しかしながら、新規参入者には介護事業の運営ノウハウが無く、
人材採用や運営管理ができずにサ高住の経営が失敗に終わってしまい、
経営ノウハウのある介護事業者が譲り受けるケースが増加しております。
先述した通り、サ高住の運営だけでは採算が取りづらいため、介護保険サービスを自前で運営し、
それで収益を上げる構造や仕組みを上手く作れるかどうかが経営のポイントとなっており、
介護事業のノウハウがある事業者については、現在もサ高住の譲受意欲が高い事業者も多く存在します。
・サ高住の価値査定
・周辺事業の価値査定
・法人ごとの譲渡か、施設のみの譲渡か
・不動産手続き
・行政への申請手続き
サ高住の価値査定については、以下のポイントをチェックする必要があります。
・不動産の所有者(土地・建物)
・利用者の賃貸借契約
・管理会社と運営会社の存在
・周辺介護事業について(自前か他法人か)
特に重要になるのは不動産の査定です。
サ高住のM&Aで多く誤解されるケースとして、
住居不動産売買のように利回り計算をされるオーナー様が多いですが、
サ高住は利回り計算での査定では評価されません。
なぜなら、サ高住の運営自体に人員が必要であることや、
周辺の介護事業の影響が強いことから、サ高住単体では投資不動産としての価値がほとんど無いからです。
そのため、M&Aを実行するには専門的な価値査定を受ける必要があります。
会社ごとのM&Aである株式譲渡であれば心配はありませんが、
施設のみのM&Aである事業譲渡の場合は、行政との協議が必要です。
特に、建設補助金などを受給されている場合は特に注意が必要で、
場合によっては補助金を返還しなければいけないケースもございます。
このように、サ高住のM&Aは盛んに行われていますが、取り扱いには注意が必要です。
もし、サ高住のM&Aをお考えの場合には、一度弊社にご相談ください。