新型コロナウイルスが猛威を振るい、株価、実態経済、医療、教育、雇用等、各所に影響が波及し始めています。
この先、どの程度インパクトをもって企業業績や、実生活に影響を及ぼしてくるかは不透明ですが、株価の乱高下や、企業業績悪化を想定し株価に反映されている現状を考えると、先行不安と、想定以上の影響が起こる可能性は日々高まっているということは明らかだと思われます。
今回の一件で、会社経営や事業に対して、経営者の方であれば様々なことをお考えになられたと思います。
そこで、今一度、会社経営における「選択肢としての事業承継・M&A」という観点から、少しだけお話させて頂ければと思います。
中小企業庁「2017年版中小企業白書」によると、後継者が決まっていない会社は、
60歳代では5割程度、70歳代でも4割程度と、多数の中小企業経営者が後継者の選定にご苦労されています。
私が実務の中で感じていることは、このデータの中には、「後継者について何も考えていない、考えたことがない」という層も多分に含まれているということです。
弊社にご相談いただくお客様とお話をしていると、
と先を見据えた戦略、計画をもとにご相談いただく例がございます。
日々の経営努力に加え、出口戦略にまでしっかりと気を配られている様には、非常に頭が下がる思いです。
一方で、「後継者など見つかるはずもないし、最終的に廃業すれば良い」というような声も多く耳にします。
この考えに至った背景には、
等、様々な理由が想定されます。
このケースだと、代表にそもそも事業を継続し反映させていく気概も薄れてしまっていることも多く、高い価値をつけて第三者に譲り受けて頂く可能性も低くなってしまいます。
上記2例のように、事前準備、意識の違いで、リタイヤ時に受けられる代表の恩恵は大きく変わってきます。また、従業員、顧客、債権者、出資者も、事業が廃業になるより、継続される方がメリットは大きいことは重々承知のはずです。
よって、事業承継・M&Aというのは経営者の事業戦略として、もはや当たり前の選択肢としてなくてはならないものです。
後継者不足が社会課題とされている以上、「事業承継に関心がありません」は無責任や怠慢と言わざるを得ません。
仮に、事業承継に取り組み、100%上手くいく保証はありませんが、地域や雇用において、事業の継続がマイナスになることは少なく、円滑な譲渡となれば、代表者様もこれまでの苦労が対価として得られるわけなので、積極的に取り組むべきです。
そのサポートや支援は我々の得意とするところであり、事業承継における啓蒙活動も我々の大事な仕事であると感じています。
最後に、コロナウイルスが発端となり情勢が混沌しておりますが、事業売却のご相談が平時の時に比べて増えてきているように思います。
経済情勢の不確実性が高まった今、難しい経営判断が問われる局面を迎えているものとお察します。そんな中、事業戦略としてM&Aを検討されている経営者様のご決断の一助となれるよう、弊社も全力でサポートさせていただきます。
今後、売却案件の一層の増加が想定されますので、事業拡大を検討の経営者さまにも有益な案件情報の発信に努めて参ります。