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医療介護業界に求められる人材の評価制度とは

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『成果主義』が浸透するなかで

2000年代以降、日本でも『成果主義』による評価制度が多くの民間企業で採用されてきました。

IT産業の発展や、人材のグローバル化などがその要因として挙げられます。
一方で、『成果主義』とは距離を置き従来の方法で評価制度を保ってきた業界があります。

それは、『教育』と『医療・介護』の世界です。

教育や医療・介護の分野は公的なルールの中で運用されているという側面もありますが、
最も大事なポイントは‟人のために人が人を資源としている“事業であることだと私は考えます。

よって、他業界のように『成果主義』を押し出した人材の評価制度というのは少々乱暴な気もします。

令和時代に求められる評価制度とは

ところが、平成から令和へ時代が移り変わるのと時を同じくして、
われわれの労働環境も大きな変化を迎えました。

2019年4月から順次関連法が施行されている、いわゆる『働き方改革』です。

『働き方改革』が掲げるビジョンは令和以降の日本社会の課題を一掃するようにも見えますが、実際には2017年頃から大手企業を中心に、制度や仕事量が変わらぬまま労働時間減少と休暇取得のみがフォーカスされ、その反動から‟時短ハラスメント“なる言葉が生まれるなど労働現場からは新たな問題が提起されているほどです。

先述した『教育』や『医療・介護』の世界においても『働き方改革』をはじめとした潮流は評価制度にも大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

一足早く『教育』の分野では各教育委員会が定める教員評価において、生徒の学力テストの結果が反映されたり評価者からのポイントが「A、B、C……」格付けされるという具合に以前より成果主義が色濃くなったと感じます。

一方、『医療・介護』の分野においては資格や研究成果等を除けば各事業者様の判断に委ねられる部分も大きく、24時間365日にわたり患者様や利用者様と向き合わなければならない側面があるなかで、数字やアルファベットで容易に人材評価ができるとも思いません。
しかしながら、他業界の流れや今後『医療・介護』業界に飛び込まれる若い世代の皆様の価値観を考えると、より適切な人材評価制度を確立していくことが、令和時代の『医療・介護』業界に託された平成時代からの宿題なのかもしれません。

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