オーナー様との会話の中で、
「知り合いが大手に売却したって聞くけど、最近M&Aって増えているの?」
と聞かれることがよくあります。
今回は、その疑問の回答になるようなコラムを書かせていただきます。
日本全国でのM&Aの件数は、2018年度に3,850件となり、
これまで最高であった2017年度の3,050件から800件(26.2%)増加し過去最高を更新しました。
これは、2012年から7年連続での増加で、今後も更に増加していく見込みです。
M&A件数が増加した背景として、以下の4点が考えられます。
後継者の不在は中小企業にとって大きな問題です。
とくにオーナー社長が一代で創業した会社や家族経営で行っている会社は後継者を見つけづらい傾向にあります。
かつて経営者といえば、社長の息子や娘がなることが当たり前でした。
しかし、
子供が引き継ぎたくないと考えたり、
逆に創業者(現オーナー様)が子供に継がせたくないと考える方が増えたことなどから、
M&Aという仕組みを利用した第三者への事業承継が増えています。
“企業が後継者を選べず廃業してしまう”
これは国にとっても大きな損失です。
中小企業庁の試算によると、国内総生産にして22兆円もの損失となり、650万人の雇用がなくなるそうです。
国としてもM&Aを活用して企業やそこにある技術を存族させることは課題というわけです。
そこで国は税制を見直したり、全国に事業引継ぎセンターを設置したりとM&Aを後押ししています。
自力では企業を存続させられない(例:体調不良、人の採用が出来ないなど)という場合もM&Aが強い選択肢になります。
買手はただ利益だけを見るわけではありません。
優秀な人材やドミナント形成によるシナジー効果を見込める場合は、
赤字でも債務超過が続いていても企業を買い取ります。
中小企業の場合は経営者が全ての株式を持っている事が多く、
M&Aが成功すれば売却益が手に入り、さらに経営の不安や債務もなくすことが出来ます。
このようにM&Aは経営に苦しむ経営者とその会社で働く社員にとってメリットの大きな選択肢です。
医療業は、医療法、医師法、医療保険関連法糖、国の定める多くの関連法による規制を受けており、
医療行政の方向性によって経営に著しく影響される業種です。
このような、業界に対する先行き不安に対して、M&Aを選択されるケースもあります。
上記はあくまで一例ですが、このような理由でM&Aに対する相談が増えております。
何かご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。