これまでの介護事業の成功モデルは
「包括的、総合的介護サービスをワンストップで行う」
しかないと考えられていた部分がございましたが、
多くの介護事業者様とお話しすると
「専門性を活かして一業種に特化して展開」
という動きも有効的な成功モデルではないかと感じています。
今回はM&Aアドバイザーという第三者視点から
介護事業の今後について書かせていただきます。
成功している介護事業者の定番は
「包括的、総合的介護サービスの提供」
「地域内でのワンストップ介護サービスの提供」
というものが一般的ではないでしょうか。
自法人内で包括的、総合的に介護サービスを提供できるということは、
利用者の方にとって負担が少なく、全てお任せすることができる事業所というイメージを持っていただくことができます。
また、従業員のキャリアパスに関しても具体的に考えることができ、
介護事業の問題の一つである従業員の雇用流動性、
賃金問題の解決にもつなげることができます。
しかしながら、総合的な介護サービスの提供を行うには、
「大きな資金・投資」が必要になります。
建物を新築で建てるなり、人材を揃えなければ、
包括的・総合的な介護サービスの提供をかなえることができません。
先に述べた「包括的、総合的介護サービス」という定番の成功モデルとは異なるのが
「専門性に特化した介護サービスの提供」になります。
具体的に何を指すのか、と言いますと、
「医療分野に特化したデイサービス」
「超大規模、運動機能に特化したデイサービス」
「地域内をすべて網羅できるほどの訪問介護」
「リハビリに特化した訪問看護」
などが専門性に特化した介護サービスに該当します。
専門性のあるサービスが出てきているということは、
介護市場がある程度飽和状態に近づいているとも言えます。
これら専門性を有する事業はいわば「隙間産業」と類似しており、
この隙間産業は市場が飽和しかけた時に見かけられます。
何かに特化することは介護報酬改定の影響を大きく受けてしまうというリスクもありますが、
利用者からの細かな要望や、適切なサービスの提供を行うことによる利用者の満足度上昇を見込むことができ、結果として利用者安定につながる可能性があります。
専門性に特化することによってできないことも多く出てきますが、
他の事業所との差別化を図ることができるため提供サービスについて独占的に確立させることが可能になります。
結局どちらがいいのでしょう。
簡潔に申し上げると
「資金、投資面に余裕があるのであれば総合的」
「展開速度を優先するのであれば専門性」
と言えるのでないかと思います。
どちらの事業モデルに関しても今後必ず必要になると思います。
裏を返すと、あれやこれやつながりなく展開してしまえば
失敗してしまう可能性が高いとも言えます。
どちらの成功モデルにおいても問題になるのはコスト、人材です。
これらリスクを少しでも軽減できるのはM&Aではないでしょうか。
買収、譲渡の話だけでなくても今後の展開についてお話しするだけでも構いません。
私たち提供できる情報は積極的に共有していきますのでお気軽にご相談ください。