本日は従業員の観点でM&Aを見ていきます。
タイトルにもありますが、果たしてM&Aは
従業員にとって幸せなことと言えるでしょうか。
あるいはその反対のケースを招くものなのでしょうか。
結論は、幸せになる可能性が高いというのが私の持論です。
まずM&Aにおいて、売手側と買手側の資本力を比べた際に
買手側の方がより大きな法人であるケースが一般的です。
例えば買手側の売上高が仮に10億円とした場合、
同等以上の売上高10億円超の法人を買収できるでしょうか。
自社の売上高をいきなり倍以上にする投資は非現実的ですし
資金調達の観点でも、金融機関からの融資は困難でしょう。
したがって買手側は自社よりも規模の小さい法人の買収に
向かうわけで、これは至って自然な流れと言えます。
つまりM&Aを実行する前後では、多くの場合に実行後の方が
資本力の大きな法人が経営につくため安定する傾向にあります。
もちろん一概にそれが言えるかというと、買手側の財務健全性
という観点では、規模の大きさが常に優位とも言えませんが
それでも多くの場合、結果として経営の安定が生まれています。
買手が上場企業であったり、地場の有力法人だったりすれば
尚のこと雇用の安定や給与のベースアップも見込めるわけで、
職種の選択肢の多さや、役職ポストの絶対数の多さは
従業員の処遇向上とキャリアアップの可能性を意味します。
売手側の代表となると、今いる従業員への想いの強さゆえに
果たして従業員にとって幸せな選択なのか?と思い悩む方も
少なくありません。
ただ従業員のことを想えばこそ、こうした点を踏まえて、
胸を張って買手側の法人に従業員を送り出せるはずです。
なお、譲渡直前のタイミングでは、人間の本質として変化を
好まない傾向が強いために、従業員の中には極度に不安を感じ
時には抵抗してみたり、という場面に出くわすこともあります。
ですが、実際にはいま申し上げた通り、M&Aによって従業員は
幸せになる可能性が高いわけで、自信をもって従業員の皆様には
代表の口から語って頂ければ、必ずや理解を得られるはずです。
こうした代表の最後の大仕事にも、
当社は全面的にサポートします。