現在多くの介護・障害福祉事業所で、外国人労働者が採用されており、日本の労働人口が減少している中、外国人労働者は介護・障害福祉事業所において欠かせない存在となっています。”技能実習制度”や”特定技能制度”を活用して、介護・障害福祉事業所のスタッフとして外国人労働者が働いている一方で、本来の”技能実習制度”や”特定技能制度”の目的と実態に乖離が生じているのではないかといった疑義が生じています。
■技能実習制度
技能実習制度については、日本で培ったノウハウや技術を開発途上国に持ち帰り、地域の経済発展に活かしてもらうことも目的とし、1993年にスタートした制度です。
■特定技能制度
特定技能制度は日本の労働力不足の解消として、外国人労働者を迎えいれる制度です。
上記の通り、技能実習制度は国際貢献をすることを主たる目的として出来た制度ですが、現状としては労働力の確保として利用されているケースが散見し、「制度目的と実態が乖離しているのでは?」という指摘がなされています。
また、技能実習生については転籍を認めておらず、職場の選択肢がなく、勤め先でのハラスメントやいじめ問題が発生しても逃げ場がない、という問題も起こっています。そうした過度に厳しい制限や、目的と実態の乖離を是正するためにも、技能実習制度の見直しが検討されています。
技能実習制度については、目的と実態の乖離をなくすべく、人材の確保及び人材の育成を目的とした、新たな制度創設が検討されています。実態に則した形で制度を設定すべく、抜本的な見直しが必要となってきます。
また、技能実習制度と特定技能制度で、「対象となる職種が異なるため、対象となる職種を統一すべきでは?」という議論もなされています。
また特定技能制度については、今後も活用される方向性ですが、新しく創設される制度との整合性や、制度自体の適正化を図るため、引き続き議論は続いています。
※対象となる職種
技能実習制度の対象職種→厚生労働省「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(88職種161作業)」
特定技能の対象職種→出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」
冒頭でも記載した通り、介護人材が不足する中、外国人労働者の労働力は、介護・障害福祉事業所を支える大きな力となります。技能実習制度がどのように見直されるかはまだ明確になっていませんが、すぐに介護人材不足の問題解決にはつながらないのではないでしょうか。
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