新型コロナウイルス感染症は2023年5月8日から5類へと移行します。
2020年2月、「指定感染症」とされた新型コロナウイルス感染症は、世界各国で発生するパンデミックや死亡者数の増加に伴い、同年3月に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に位置付けされました。これにより政府や都道府県に新型コロナウイルス感染症対策本部が設置され、緊急事態宣言の発動やまん延防止といった措置が取られるようになりました。
2021年、医療のひっ迫などを理由に感染症法が改正され「新型インフルエンザ感染症」に変更されましたが、ウイルスの特徴が明らかになっていなかったことなどから、実際は2類と同じ扱いとされ「2類相当」といわれるようになりました。その後沈静化を鑑みてこの度5類への移行が決定したのです。
新型コロナウイルス感染症が5類へ移行することによって、対応は大きく5つ変化します。
新型コロナウイルス感染症は感染力や後遺症も強い上、インフルエンザのように季節性がなく流行時期や規模の予測が難しいといわれています。対策が政府主体から個人主体へと移行し、今まで制限されていた生活が解放される一方で、ワクチン接種者の減少による患者数の増加や、医療費自己負担による受診控えや行動制限解除、マスク着用の自由化による市中クラスターの発生などが懸念されています。
5類移行で医療業界に最も大きな影響を与えるものは補助金の廃止です。今までは新型コロナウイルス感染症疑いのある患者の外来診療を行った際、1日250点の加点をつけるといった措置が設けられていましたが、これが5類移行によってなくなるといわれています。
医療現場では、仮に補助金がなくなった場合に病院側のコスト面での負担が大きくなることから、不安が高まっています。また、新型コロナウイルス感染症拡大初期に福祉医療機構が行った貸付に対する返済も同時期に到来することから、苦慮する病院が増加するとみられています。
新型コロナウイルス感染症の5類移行によって、医療業界は大きな節目を迎えることになります。医療機関の経営環境は今後一層厳しくなる可能性があり、医療業界のM&Aの動きは活発化すると考えられています。特に経営が苦しくなってきたため、売りたい、継ぎたいなどの売却、承継意向の増加は必至といえるでしょう。
この局面を乗り越えるためには、まず自院の状況を正しく知っておくことが重要です。当社ではM&Aという手段を用いて、この局面を乗り越えるお手伝いをさせていただいております。
次々と変わる新型コロナウイルス感染症の対応、予想しづらい環境変化に柔軟に対応するためにも自院の状況を知り、経営の効率化を図ることは事業を存続させる上で重要な課題となります。個人・法人、譲受・譲渡関わらず、まずはお気軽にご相談ください。