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介護業界のM&Aにおいて、譲受ニーズの高い業態とは(入居施設系編)

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以前「介護業界における譲受ニーズの高い事業と低い事業とは」というテーマでコラムで紹介させていただいておりますが、今回は介護施設のM&Aにおいて入居施設系のなかで、譲受のご意向が多い業態とはどの様な施設なのでしょうか。
「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」において、それぞれの譲渡実行のしやすさや、譲受ニーズとその理由についてお伝えします。

介護付有料老人ホームの譲受ニーズ

介護業界のM&Aにおいて介護付有料老人ホームは、譲受のニーズが非常に高い業態となります。その理由として、以下2点が要因となります。

総量規制がかかっている
介護付有料老人ホームは総量規制がかかっているため、「年間で増やすことのできる施設数・床数が決まっている」ということです。
市区町村から出る公募に応募をして、選定された事業所が開設することが可能となります。公募が出ても運営実績がある事業者が選ばれるケースも多く、開設のハードルが高くなっています。
エリアによっては「年間で1回も公募がない」というケースもあり、M&Aで譲受を行う以外、運営を行う手だてがありません。

収益が安定している
介護付有料老人ホームは、要介護度に応じた定額の介護報酬を得ることができるため、収益の安定性が見込めます。
人員配置や集患の大変さなどはありますが、他の施設形態と比べて安定した収益を得られるのも人気の理由です。

以上の2点において、介護付有料老人ホームの譲受は非常に需要があり、ご依頼いただいた際にも譲渡実行まで進むことができる確率が非常に高くなっています。

一方で、①②の理由から、「譲渡をしたい」というご相談の数としても年間で見ても数件程度と、非常に少なくなっております。

住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅の譲受ニーズ

住宅型有料老人ホームおよびサービス付き高齢者住宅は、居室面積、サービス提供内容、管轄省庁の違いなどはあるものの、「何かしら介護事業を不随させて収益を得る」という点においては、共通している業態です。介護付有料老人ホームに比べると、譲受ニーズは低く、一方で譲渡ニーズは高い業態となります。

訪問介護や訪問看護など、別の業態とシナジー効果をだすことで非常に高い収益性が見込めますが、逆もまたしかりです。シナジー効果をうまくだすことができれば、収益的には非常に良い業態ではありますが、経営者様の手腕が問われる側面もあります。
最近は、終末期患者を受け入れるホスピスとして運用を行っている事業所も多くなっています。

また、定員数によってもニーズはさまざまです。
50床以上の譲受ニーズは高くなっていますが、20床未満の譲受ニーズは少し低くなっています。
なお、50床以上の規模感であれば、赤字でも一定の譲受ニーズが存在します。

認知症対応型共同生活介護の譲受ニーズ

認知症対応型共同生活介護は、介護付有料老人ホームと同様に譲受ニーズの高い業態となっております。人気の理由は、介護付有料老人ホームと同様で、総量規制がかかっている業態であるからです。

収益性も比較的安定はしているのですが、1ユニットだと高い収益を得ることは難しく、2ユニット以上の譲受ニーズが非常に高くなっております。
大手企業様からも、「2ユニット以上であれば1事業所から検討が可能です」とのお話をいただくほど人気があります。

譲渡ニーズも一定数あり、実際に年間で数件はご支援させていただいております。

エリアや規模によってニーズはさまざま。お気軽にご相談を

施設系の譲渡譲受について記載いたしましたが、各業態ひと括りにすることはできません。
エリアによっては小さな規模でも、譲受ニーズがあることもありますし、逆に大きな規模でも、譲受ニーズが薄いこともあります。

初期的な譲渡および譲受のご相談も、お気軽にご相談ください。