医療事業において、外部環境はコロナ禍を経て大きく変化し、その外部環境への適応のための制度や取り組みも、さまざまな単位で行われました。
今回は、その変化がもたらす事業承継への影響、という視点で記載したいと思います。
2023年4月から、医療DXの基盤となるオンライン資格確認が義務化となります。
猶予期間の設定が濃厚となっていますが、療養担当規則等の改正も行われ、オンライン資格確認を皮切りに、医療DXが推進されていきます。
医療DXは、デジタル時代に対応した診療報酬やその改定に関する作業を大幅に効率化させるだけでなく、保健・医療・介護の各段階(レセプトや特定健診等情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等の医療(介護を含む)全般にわたる情報)について共有・交換させることでサービスの効率化・質の向上を実現し、さらには医療保険制度全体の運営コスト削減につながります。
医療DXの推進が進むなかで、「電子カルテの導入・活用が必須」となり、現在、紙カルテで運用をしている事業者様は、どこかのタイミングで電子カルテへの移管を検討する必要があります。
電子カルテを導入し管理をデータベースで行うことで素早く過去の診断カルテを閲覧できるだけでなく、入院患者が転院する時など、他の医療機関にかかることになった際にスムーズに患者の現在の症状や過去の処置内容を共有することが可能となります。
事業承継においては患者情報等も含めて引継ぎを行っていくため、現在紙カルテで運用されている事業者様は、実質、譲受先での電子カルテ化が前提となりますので、事前に紙カルテでの運用になっている点は、共有しておく必要があります。
コロナ禍で、イレギュラー的にオンライン診療が緩和され、それを皮切りに、法整備がなされました。現在では、定常的にオンライン診療を行っている医療機関も増え、患者側も一定の理解をもつようになりました。
オンライン服薬指導や電子処方箋等も含め、患者側の動線が変化してきており、診療科目や立地等にもよって異なりますが、物理的な要素(立地、駐車場等)に加え、オンラインに関する部分が経営に影響力を持ち始めました。
競合の状況や患者状況等含めて、オンラインへの対応などは事業承継にあたっても、重要な項目となってきております。
医療事業の最重要指標は、当たり前ですが、患者数や単価となります。
コロナ禍において、診療控えがトレンドとなり、患者数などは減ってしまったクリニック様が多い印象ですが、一方で、ワクチン接種やPCR検査あるいは、コロナに関する補助金・助成金などにより、本質的な外来患者様減少に収入が増えているクリニック様もあります。
事業承継において、コロナ関連の売上や収入に関しては、不定期なものであり、将来的な見込みが立てづらいものであるため、見解が分かれます。
こういったポイントへの考え方などは、早期にすり合わせを行っていく必要があります。
事業承継に向けてすべきことは、上記のようなコロナ禍等の影響を受けるトレンドや診療報酬に向けた医療機関の動きや方向性に関する情報収集をし、そういった動きに自院が対応しているのか、もしくは物理的に対応可能なのかどうかなどを事業承継準備として検討いただきたいです。
今後の自院を引き継ぐ候補の方々がどういったことを考えているのか、同じ目線で自院を引き継ぐ先生方とのお話が事業承継を成功させる一つのポイントとなります。
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