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クリニックの承継(M&A)が持つ業界特有の難しさとは

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クリニックの承継(M&A)が危ぶまれるケースとその解決方法

クリニックの承継(M&A)では、業界特有の難しさがあります。
今回は、関東甲信越地方で運営されている循環器内科のクリニックで実際にあった承継事例をご紹介します。

クリニックの承継(M&A)において起こり得る事例

今回ご紹介する関東甲信越地方にある循環器内科のクリニックは、数年前に先代が急逝され、持分所有・社員・理事長としてご子息がなられ、別の先生が院長として勤務をしております。
但し、ご子息は専門科目が異なり、別のクリニックを運営されています。

本件の承継で大きな問題となる点は、ご子息が循環器内科クリニックの状況を把握しておらず、実際の経営判断等も含めて現院長にお任せをしてしまっている点です。

具体的に説明していきますと、現院長が従業員の処遇や採用や経営判断も行っており、法人の実印や銀行員等の重要物品も現院長が保有してしまっているため、契約ごとも院長を介して行わなければなりません。
ご子息は社員・理事長でもあり、持分を所有しているため本来は医療法人に係るすべての決定ができる状態ではあるものの、現院長が「No」ということを実行することが現状難しい状況です。

そういった場合でも承継が実現できるのかという問いに対して、結論として「実行は可能」ですが、クリニックの承継(M&A)において最も重要なのは、承継した後です。

本件でM&Aを強行した場合、以下のような事態を招く可能性があります。

  • 院長の退職及び従業員の退職により、クリニックの運営継続が困難となる
  • 意向の衝突が発生し、意図しない被害がでる可能性がある
  • 法人の実印がない場合は、承継を進められない可能性がある など

いずれの状態も、最終的には患者様に迷惑がかかってしまうことになってしまうため、慎重に進める必要があります。

法的と実質的の意思決定者が異なる場合の承継ポイント

本件の状況で抑えておきたいポイントが2点あります。

  1. 法的な意思決定者と実質的な意思決定者が異なっている
  2. 現理事長と現院長で意思疎通が測れていない

上記が改善しないまま承継を進めていく場合、承継が成立する可能性は低く、さらに譲渡が完了したとしても「三方良し」とはいかない可能性が高くなります。

そのためこの2点を改善する必要がありますが、効率的に改善するテクニックはありません。
一番優先すべきなのは、現院長と今後のについてをしっかりと話をする時間を設けることです。

実際に時間をとって話し合いをしたとしても、結果が平行線となり、経営者として離脱しなければならない場合もあります。
こういった場合は、いずれかの方法で承継を進める必要がありますが、残念ながら多くの希望を叶えることはできません。
そのためご自身の承継の目的を明確にし、複数の論点で妥協を求められることも想定しておくことが重要です。

承継の目的を果たすために日頃から行っておくべきこと

様々な事業がありますが、特に医療事業は現場の意見が強くなりがちです。
現場から離れている経営者様にはさらに留意が必要です。

承継時に限らずですが、実質的な意思決定者が他にいらっしゃる法的経営者様は、日頃から実質的な意思決定者の方と念密なコミュニケーションを図るなどし、今後の経営についてご自身のご意向等を共有しておくことをおススメします。

どの様にコミュニケーションを図っていった良いのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
CBパートナーズには医療業界専任の経験豊富なアドバイザーが多数在籍しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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