令和3年度介護報酬改定において、介護現場においてICTの活用を実用化する動きが強まっています。
科学的介護推進体制加算は多くの事業所で取得することができます。
加算取得のための大きな算定用件は2つです。
1つ目は国が運営する介護保険の新しいデータベース「LIFE」にすべての利用者の心身情報を送ること
2つ目は「LIFE」に送信した情報に基づいてPDCAを回し、該当要件を「LIFE」にて更新すること
従来のCHASE以上に科学的な管理体制を事業所では求められています。
現在、居宅介護支援の基本報酬は、
①利用者の要介護度(要介護1・2か、要介護3・4・5か)
②ケアマネジャー1人当たりの担当利用者数
で区分されています。
上記に加えて新たに
「情報通信機器の導入や、事務職員の配置を行っているか」
という評価軸を加え、基本報酬を見直すことになります。
大きな違いとして、単位の大きい40件未満の区分が、
ICT導入により、45件未満までに引き上げられることになります。
このようにICTを導入することにより、明確に加算を取得することができるようになり、国としてもICT導入を推進しています。
ICTの導入を進めている業界の背景とは裏腹に、
これからM&Aを進める場合は、以下のポイントに注意が必要です。
譲受を希望される介護法人は、既にICTを現場に導入されているが、
譲渡を希望される介護法人は、ICTを現場に導入されていないというケースは非常に多い印象です。
その場合に譲受先の法人が懸念することは、譲り受けた後にかかるICT導入のためのコストや、従業員への教育・研修です。
ソフトが変わるだけでも、現場は混乱してしまうこともあるため、
一気に大きく変更することは難しく、徐々に教育する流れを作れるかどうかを、
考えていかなければなりません。
先述したように、譲受会社と譲渡会社でICTに対する理解が離れている場合、
譲受会社としては、経営権取得後のICT整備に対してコストがかかります。
そのコストを譲渡対価から差し引くという評価をされるケースも多いため、
現在の事業評価よりも評価減になってしまうこともあります。
上記のように、M&AにおいてもICTをどれぐらい導入し、活用しているかは評価対象などに加わります。
本改訂に伴い「ICT導入支援事業」による補助金を受け取ることも可能です。
長く介護事業を経営されている場合、ICT化についていけていない事業所も多くいらっしゃいますので、今後の経営などにご不安のある方はぜひご相談ください。