介護事業所の閉鎖・倒産は年々加速しており、2017年では111件倒産しており、過去最高の倒産数となってしまいました。
これほどまでに多くの事業所が閉鎖・倒産していますが、そのうちの多くは、倒産・閉鎖になる前のタイミングであればM&Aで事業所の存続ができ、オーナー様はまとまった資金を獲得できた事業所が多くあります。
M&Aというと、映画や小説・ニュースなどから、あまり良いイメージをお持ちいただけていない経営者様も多くいらっしゃいます。
そこで、介護・医療・福祉業界に特化したM&AアドバイザリーであるCBパートナーズが、介護事業所のM&Aにおけるメリット・デメリットをご紹介させていただきます。
介護事業のM&Aは、介護保険法施行の2000年の少し前から活発化しています。
元々は医療事務委託をメインの事業としていたニチイ学館や人材派遣会社だったグッドウィルグループなどの、他業種大手が介護事業を展開する企業を買収して介護事業に参入してくるという動きが多く見られました。
また、直近10年でもドラッグストアを運営するココカラファインが2009年に、ソニーフィナンシャルグループが2013年にM&Aで介護事業を運営する企業の買収に乗り出し、介護事業への新規参入を図ってきました。
それ以外にも、介護事業を運営している企業が、別業態の介護事業を運営する企業の”事業”の譲受を実施するというM&Aも伸びてきており、他業界からの進出に限らず、別業態からの参入も含め、介護事業自体の買収需要が伸びてきていることが伺えます。
介護事業を譲渡する側のメリットは、大きく分けて以下の通りです。
・人材不足の解消
・後継者不在問題の解消
・まとまった資金の獲得
・負債の返済
・従業員の待遇改善
・個人保証におけるリスク解消
・経営の疲れからの解放
・取引先への迷惑が最小限で済む
・大手傘下で安定的な事業運営ができる
・経営資源の集中を図れる
特に、人材不足やまとまった資金の獲得を狙ったM&Aが多くなっており、経営者側の悩みの解決をするためのM&Aが比較的頻繁に行われています。
介護事業を譲受する側のメリットは、大きく分けて以下の通りです。
・他店舗展開をすることによって、人材を回しやすくなる
・介護事業の収益は安定性が高いため、リスクが少ない
・既存の利用者様を引き継ぐことができる
・経験のある従業員を獲得できる
・新規の認可が出にくい業態での参入も障壁が低くなる
・未進出のエリアへの進出スピードを上げられる
・事業基盤の拡大によるスケールメリットを享受できる
特に買主側では、新規参入や進出に関わる時間の短縮が大きなメリットとなります。
介護事業所は、許認可が必要なものも多く、新規で参入しようとするとなかなか難しい業態もありますが、
既に許認可を取っている施設を買収する場合は、新規で立ち上げるよりも許認可がおりやすく、参入障壁の比較的高い事業に、スピード感を持って参入することができます。
介護事業を譲渡する側のデメリットは、大きく分けて以下の通りです。
・従業員の雇用・労働条件の変更によるデメリット
・面識のない経営者による経営に対するストレスやモチベーション低下
・企業文化の摺り合せへの疲れ
・想定以下の譲渡対価しか付かなかった
譲渡する側の企業にとってのデメリットはそこまで多くはありません。
ここに挙げているほとんどのデメリットが、買主側のデメリットとほぼ同じであり、ほとんどが、買主側の企業が気を使うべきものになります。
介護事業を譲受する側のデメリットは、大きく分けて以下の通りです。
・想定以下のシナジーしか発揮されない
・元々の従業員との軋轢による機能低下
・企業文化の整合の困難
・重要な人材の退職のリスク
・事前調査では判明していなかった問題の発覚
・想定以下の利益しか出せない
M&Aを実施する場合、別の企業だったもの同士が一つの企業になるわけですから、人間関係や文化の部分で大きな不安が残るのが事実です。事業のポテンシャルや財務状況などは問題がなくとも、
スタッフのモチベーションが低くなってしまうことによる利益低下など、譲受けた側の企業は特に注意すべき点が人材の部分で多数存在します。
上記に挙げたようなデメリットは、特に経営者ご自身が買い手・売り手企業を見つけようとする際に、発生してしまいます。
譲渡側の企業はできるだけ高く売却したい、譲受側の企業はできるだけ安く安全に譲り受けたいという思惑が働くからです。
しかし、こういったデメリットを抱えたままのM&Aは双方にとってのデメリットとなってしまいます。そのため、M&Aは当社のような介護業界に精通したM&Aアドバイザリーにご相談くださいませ。
業界の専門知識を活かし、買い手・売り手双方の企業様にとって最適なマッチングと条件を実現させて頂きます。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
介護事業と一口にいってしまっても、老人ホームやデイサービス、訪問介護など業態ごとに必要な対応や条件、気をつけるべきポイントなどは細かく違ってきます。
また、実際に譲渡をするときに、
企業や施設がいくらで売れるかなどの相場感や計算などを経営者様ご自身でご対応いただくのは非常に手間ですし、
細かく行うのは実際には困難になってしまいます。
当社は、介護・医療・福祉業界専門で行うM&Aアドバイザリーです。CBパートナーズでは、M&Aが成約に至るまで一切の料金は頂きません。
些細な疑問でもかまいませんので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。