近年では、病院の承継問題が話題に取り上げられるようになってきています。
病院においての承継課題や地域の考え方、第三者への承継に対する傾向についてご紹介いたします。
まず病院が置かれている状況の中で最も顕著な傾向は、ご存じの通り急速に進む高齢化です。
高齢化による社会保障費の負担増や医療制度改革により診療報酬の切り下げが続いており、
収益が圧迫され経営に大きな影響を与えています。
また医療業界では深刻な人手不足に陥っており医師、看護師などスタッフの確保の問題や
そもそも病院の後継者がいないということから第三者への継承(M&Aによる事業承継)が増加傾向にあります。
私はCBグループに入社しておよそ10年間、医療、介護業界の理事長、経営者の方とお会いしてきました。
お会いするお客様がCBグループに期待するサービスについて、入社当時は「採用支援>後継者探し」だったものが、現在では逆転し、「後継者探し>採用支援」と年々変わってきていることを感じております。
お客様が後継者探しに苦労している点は以下のような背景が多いです。
特に困られているのは、ご家族で承継できる人物がいないことと、不動産の再建築費用です。
なかには、ご家族に承継できる方がいても不動産が重たいため、承継させたくないという思いを抱えている方もいらっしゃいます。
現在では採用の問題だけでなく、後継者問題に頭を悩ませている経営者が増加してきています。
承継ニーズは高まるばかりですが、地域の考えとしてはいかがでしょうか。
病院の事業承継を行う場合、行政、地域の医師会、分科会委員など様々な立場の方から意見を伺い、その結果承継することができます。
また、おおよその場合、そういった関連各所からは承認されるケースがほとんどです。
それは、病院が無くなってしまう場合に、地域医療が存続できなくなることとイコールになってしまうため、地域の患者様や、そこで働く医療従事者などに大きな影響を与える事になるからです。
実際に病院を承継しようと動く場合、必ず聞かれることは、承継した後に、地域医療の提供がそのまま行われるかどうか、大幅な変更があるかどうかについてです。
大幅な変更がある場合は大事に捉えられますが、現在の医療体制が継続される場合には承認されることでしょう。
以前は「病院を承継する」ということは、親族に承継されることをヨシとして、第三者に承継されることを非難されることもありました。
しかしながら時代は変わり、第三者に承継されることについても、現在の医療体制、提供方法、従業員の労働継続が維持されることが証明されてきており、国としても事業承継に補助金制度を発足させるなど、大事な選択肢として、第三者への承継(=M&A)が認められてきています。
当社でも、病院の事業承継をお手伝いさせていただいております。
病院を承継するかどうかお悩みの方も、一度どのように進めていくことが最適か、ぜひご相談ください。