病院数、病床数ともに減少の一途を辿る一方で、医学部の定員は毎年増員されており、医師数は増加しております。
そこで起こっているのが、勤務医のポスト不足です。
「勤務医の就業状況として必ずしも恵まれた状況があるとは言えない」
と伝え聞くことも多くなって参りました。
その背景を踏まえ、いつかは開業して自分の城を・・・
と考えてこられた勤務医の先生方が、より具体的に独立開業を検討されることも増えているのではないでしょうか。
独立開業を検討される場合、大きく2つの選択肢があります。
です。
結論、どちらが有利とは一概に言えませんが、今回はそれぞれの特徴について触れていきます。
従来、開業といえば土地探しなど一から始める新規開業が一般的でした。
そのメリットとしては、
「自身の思うようにクリニックを創りあげる楽しみがある」
ということです。
開業場所、物件、内装、スタッフの採用・配置、、、
独立開業という人生の一大決心をするにあたり、
「自分色」を大事にされる医師もまだまだ多いのではないでしょうか。
一方でデメリットとしては、
「開業コスト(開業後の運転資金含む)、集患の懸念」
こちらが考えられます。
一からの創業となるため、不動産周りから始まり、スタッフ採用費、集患に対する広告費等々の支払いが発生しますが、
患者様はよほどのことが無い限り、普段のかかりつけ医を変更することはありません。
当然新規開業にあたっては、診療圏調査等は大前提になって参りますが、最初の2、3年間は赤字覚悟が必要とも言われております。
そのデメリット、特には集患についての懸念を少しでも軽減していくために、新規開業する場合には、
・廃院予定のクリニック情報を集め、その近くで新規開業する
といった戦略も必要となって参ります。
近年注目されている開業スタイルです。開業医師の高齢化も相まって、今後ますます需要は増えると想定されております。
新規開業のメリット・デメリットを踏まえ承継開業の特徴(メリット)をお伝えすると、
「一定数にせよ、既存の患者様を引き継ぐことができる」
こちらに尽きます。
新規開業と比較し、開業コストの面をフォーカスする風潮もあり、確かに一般的にはコストが有利になることもあります。
しかしながら実際のところ、譲受する際には、営業権(盛況なクリニックであれば金額も上昇)を加味する必要があり、
施設・設備の状況によっては新たに刷新する必要があるケースもあります。
また、スタッフの引継ぎについても、全てのクリニックで引継ぎ可能ではなく、
中には経営理念の違いからクリニックを離れてしまうスタッフが出てくることもあります。
新規開業・承継開業、いずれもコストはかかります。
その前提があって、いざ「クリニックの経営」という視点で考えた時に、
何よりも重要なことは、売上を立てられるか=患者様がいらっしゃるか、ということです。
その点で考えると、一定数でも患者様を引継ぎできることは新規開業にはないメリットを享受できることになります。(クリニックを譲渡される院長先生より、患者様への説明を含む引継ぎといった協力体制を仰ぐことも大切です)
承継開業の戦略としては、
1.盛況かつ知名度のあったクリニックを譲受する
ということを基本に考えられることが多いと推察されますが、
2.開業して数年であるが、志半ばにして譲渡を決断されたクリニックを譲受する
ということもあります。
これは、競合がひしめく中で開業され集患に苦労されたケースが想定され、
診療科目を変えて標榜することで新たな地域住民のニーズを拾うことに繋がる可能性も秘めているためです。
施設設備もまだまだ新しいので、そういった面でのコスト低減の効果は見込めるかもしれません。
以上、今回は新規開業・承継開業 それぞれの特徴についてお伝えさせて頂きました。
当社はM&A仲介業者となりますので、当社にお任せ頂く場合には手数料を頂戴しておりますが、
その対価としてスムーズな承継の実現をご支援させて頂きます。
今回のコラムは譲受側にフォーカスした内容となっておりますが、譲渡希望も同様です。
譲渡・譲受、いずれのお問い合わせもお待ちしております。