介護施設

介護業界の経営実態

介護事業所の経営実態

公的介護サービスの工程価格である介護報酬改定が2021年度に迫る中、政府内で議論が活発になってきてます。

厚生労働省はプラス改定を求めていますが、
財務省はコロナの影響は軽微であると意見が対立とのニュースで騒がれていますが、
方向性がどうなっていくのか気になるところです。

介護事業所さまのコロナ禍における経営実態を把握するために、
政府が介護事業所さまに対してアンケートを実施してしました。

その回答をもとに介護報酬の方向性が決まると言っても過言ではないので、
アンケート結果をもとに、コロナ禍における介護業界の実態がどうなっているのか見ていきます。

 

介護収入への影響

令和2年10月30日に議論された社会保障審議会の内容をもとに記載させていただきます。

通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護が特に打撃を受けていました

例えば、通所リハビリテーションでいうと、一事業所あたりの前年同期比では下記の通りです。

・令和2年4月においては、保険給付額△12.6%減、利用者数△9.8%減
・令和2年5月においては、保険給付額△15.4%減、利用者数△13.9%減

一方で、介護業界全体で見てみると、実態は悪くなっておらず、
保険給付額および利用者数ともに微増しており、
前年同期比での令和2年8月時点の数値では、保険給付額+3.4%、利用者数+0.8%となっています。

一部訪問系のサービスは打撃を受けているものの、全体ではプラス成長しているのが分かります。
これらをもとに、財務省は介護報酬のプラス改定に後ろ向きな姿勢は理解できます。

費用への影響

コロナ禍における費用面の変化について見ていきますが、
結論さほど変化がないのが実情です。

令和2年5月および10月時点における、
新型コロナウィルス流行前と比べた支出の変化をアンケートを取った結果が下記の通りです。

・マスクや消毒液等の購入費用は増加傾向
・人件費はほぼ変化せず。
・研修費(旅費交通費を含む)は減少。
・利用者への訪問に係る車両費はほぼ変わらず。
・通信費は一部増加傾向はあるものの、変化なしが多い。

費用に占める割合が高い人件費がコロナに関係なく、ほぼ横ばいで推移している事が分かります。

まとめ

介護業界全体でみると、収入は微増、費用はさほど変わらずという実態が浮き彫りなりました。

しかし、コロナの影響と相関関係が高い業態も浮き彫りになり、
特に居宅サービスを運営している事業者さまは特に注意を払って運営しなければなりません。

注意を払うと言っても限界はありますので、
M&Aによって事業所数を増やして店舗拡大していくだったり、
別の業態に手を出して事業ポートフォリオを組んでいく事はリスク分散という意味において、重要になってきます。

今後の事業戦略にお悩みの方は、是非当社にお問い合わせください。

 

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